荒川静香のHPより

荒川選手本人の心境が綴られています。部分的に引用します。
http://shizuka-arakawa.com/message/index.html

世界に出る事もないまま、夢の舞台として立っていた長野オリンピックから8年、世界で戦える技量を持って臨む今、4年に1度しかない特別なチャンスをかけて戦うとはどういうものなのか、私は事前に知り、心構えておく必要があると思いました。
今思えば、オリンピックを目指す最後のチャンスになるだろうこの大会に、自然と私は本気で向かい、全力を出し切ることにかけていたのだと思います。そのためにはどんな心構えでいるべきか...
その見つけた答えが
「心穏やかに、気持ちは強く・・・このオリンピック全ての瞬間を心に刻むため、常に冷静にその瞬間をただ純粋に楽しむこと」でした。

コーチのニコライから「今日は最初のコンビネーションジャンプは3+2でいいよ」と言われ、調子の良いときほど出る「3+3 or 3+2」の迷いが消え、ジャンプに囚われず1つ1つの事に集中し、頭を軽快に切り換えていく心の準備ができました。
決められたエレメンツを確実に正確にこなしていかなければいけないショートプログラムは本当に緊張するものですが、この時の緊張感は良い集中力を引き出していたように思います。
そして最後に言われた言葉・・・Smile!
今、その時の映像をみて思うこと・・・「私、いい顔して滑ってたんだ!」

そして最終決戦まで40時間余り。
いかに自然体で冷静に、これまで慎重にコントロールしてきたもの、すなわち静香的「オリンピックへの心得」から気持ちが逸れることなく、そしてゆったりと楽しんで過ごせるかが、私にとって最大のポイント。

6分間のWarm Up。
やはりオリンピック最終グループの歓声はスゴイ!緊張・集中・リラックス・闘争心...

「今日は19年間の競技生活最後の舞台になるかもしれない!心から楽しんで、その全てを記憶に焼き付けたい☆」
そう思ってリンクに立った。そしたら不思議と落ち着いて、観客席も周りも全てがよく見えた。


そして今や驚くほどの知名度となった「イナバウアー」からのジャンプコンビネーションは、音楽がすごく心地よく感じられ、何よりそこでお客さんの歓声が忘れられないほど嬉しかったし、気持ちよかった!
もうそこからは最後の最後、ポーズを取る最後の瞬間まで気を抜いてはダメ!でもこれまでの数々の試合、練習色々なことを思い出しながらこられまでやってこられた事に満足、嬉しい気持ちいっぱいで最後のストレートラインステップを踏んでいました。