プロセス・サイエンスとタオイズム

タオイストたちは、一流のプロセス・サイエンティストだった。彼らは出来事を観察し、その自然な現れかたに気づいたが、それらを疑ったり説明しようとはしなかった。・・・タオイズムにおける唯一にして最も重要な原則は、ただプロセス、つまりタオにしたがうということである。
ミンデル(1985:166-167)

「易」は変化を意味している。これは例えば、蛇のように周期的に脱皮するシンボルによって表される。「経」は、織物や布に見られるような模様やパターンを指している。ゆえに「易経」は、「所与のパターンをもって生じる変化が知覚されるプロセス」という意味になる。
ミンデル(1985:167-168)

易者はまず、基本的な質問をできるだけシンプルに明確化し、意識を集中する。質問が明確になり、香を焚くことや瞑想によって運命の道へと向かうべく気持ちが開かれた時、運命が開示する儀式の手続きに入っていくのである。・・・質問者は最初から、特定の結果を望まずに、心を空にすることを求められる。・・・易は偶然の出来事をタオの働きとみなす。

ミンデル(1985:182-185)

八卦は、物というよりはむしろ変化の状態のイメージである。この見解は、老子、そして孔子の教えの中で表明されている概念と関わりがある。それは、目に見える世界で起きるあらゆる出来事は、「イメージ」、つまり目に見えない世界の理念の結果であるというものである
ミンデル(1985:199)