人生というドラマ

人生とはドラマであり、私たち一人ひとりがその人生の主人公です。それだけでなく、そのドラマの監督、脚本、主演、すべてを自分自身でこなすことができる。また、そのように自作自演で生きていくほかはないのが、私たちの人生というものです。
ですから何よりも大切なことは、自分の人生のドラマをどのようにプロデュースしていくか。一生をかけて、どのような脚本を描き、主人公である自分がそのドラマを演じて(生きて)いくかということです。
真剣さや熱意に欠けた、怠惰で弛緩した人生を過ごすほど、もったいないことはありません。人生というドラマを中身の濃い、充実したものにするためには、一日一日、一瞬一瞬を「ど」がつくほど真剣な態度で生きていくことが必要となってくるのです。
稲盛(2004:98)

「好き」こそが最大のモチベーションであり、意欲も努力も、ひいては成功への道筋も、みんな「好き」であることがその母体となるということです。「ほれて通えば千里も一里」「好きこそものの上手なれ」といいならわされてきたとおり、好きであれば、自然に意欲もわくし努力もするので、最短距離で上達していく。人からみればたいへんな苦労も、本人には苦どころか、楽しみとなるのです。
稲盛(2004:108)

地道は精進なくして、名人の域に達した人はいません。私たちが自分の仕事を心から好きになり、だれにも負けない努力を払い、精魂込めてその仕事に取り組む。それを通じて−−ただそのことだけを通じて−−私たちは生きることの意味や価値を学び、心を磨き、人格を練り上げて、人生の真理を体得することができるのです。
稲盛(2004:165)