参考文献
日本企業のコーポレートガバナンス―「統治」による企業価値の創造を目指して
- 作者: 寺本義也,坂井種次,篠田達,金元沢
- 出版社/メーカー: 生産性出版
- 発売日: 2002/11
- メディア: 単行本
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ソニーとトヨタは、ともに世界を代表するグローバル企業である。この2つのガバナンスの特徴を比較してみる。
ソニー
- カンパニー製導入による開発・製造・販売一体化、権限委譲、独立採算制、階層の全社的圧縮
- 本社の戦略機能強化とエグゼクティブボードの設置
- 取締役の大幅削減、執行役員制の導入(戦略決定と業務執行の切り離し)
トヨタ
- 比較的大所帯の取締役会で、社外取締役や執行役員制度を導入していない。
- 取締役会を構成する取締役を「決定・監督」と「執行」に明確に分離することによって、迅速な意思決定をすることができる仕組みにしている(副社長会12人とそれ以外)。
- 副社長会12人が、実質的にソニーの取締役会と同様の意思決定機能。
- インターナショナルアドバイザリーボード(海外の有識者による社外の客観的な視点からアドバイスをもらう)
- 労使協議会や労使懇談会を含む、労働組合の牽制機能
- 安定株主の比率が高い
- グループ会社、サプライヤーとの関係
- トヨタのガバナンス改革のベクトル
- 徹底した透明性(情報開示の姿勢)
- 開かれた社会性(公共性・社会性を十分認識したガバナンス体制)
- 高度な戦略性(知恵と改善、人間性尊重という基本理念の実現志向)
- 加速する俊敏性(組織エネルギーを最大限にとどめておいて、時に応じて一気に開放する俊敏さ=改革のすごさ)