コーポレートガバナンスの本質論

国によって、法規制や慣習などが異なることにより、形式上の統治構造や、さまざまな制約条件はあるものの、業界の特徴や事業、企業の理念や目的、戦略、もしくはグローバリゼーションのステージなどと対応した、適切なガバナンスの構造およびプロセスというのが存在するのではないだろうか。つまり、形式的にはともかく、実質的なガバナンスにおいては、望ましい姿があるのではないだろうか。
例えば、ソニートヨタは、対照的なガバナンスを取っているようである。一方では真っ先に欧米型のガバナンス構造を取り入れてきたし、トヨタの場合、伝統的に日本型のように思える。しかし、効果的に企業を統治するという機能およびプロセスにおいては、両者に共通する部分も多いと思われる。
そのことから考えると、制度的なガバナンス論よりも、実質的なガバナンス論を志向するべきではなかろうか。いくら制度を整えても、それが形骸化するようでは意味が無いし、企業としては、運用上は形式とは異なるものになることがしばしばあるからだ。