変化を先取りする株価

株価は変化を先取りして動くといわれている。投資家は「変化の兆し」を読み取りながら行動するため、情報をいち早くキャッチした人から先に動き始めると、業績や景気にはっきりと変化が現れないうちに、株価が動くことが多い。実際の景気の半年程度先行しているという説もある。株価が実態に先行して動く性質を「株の先見性」という。ただし、期待感が以上に膨らんでしまうことによって値段が実態から大きくかけ離れて値上がりしてしまうバブル現象もある。


株価にはトレンドがある。上下動を繰り返しながらも大きな流れとしては下落していく「下降トレンド」、上下動しながら横ばう動きを「もみ合い」、上下動しながらも上昇していく動きを「上昇トレンド」という。トレンドが変わるポイントを「転換点」という。


薄商いのもみ合いの後、出来高急増をともなう上昇が起こると、投資家の注目が高まったサインでもあり、もみ合いを脱して上昇に入る可能性が高い。ただし、上昇が続いたあとの高値での出来高急増をともなう上昇は、最後まで買わなかった投資家が一気に買いに走った「買いのクライマックス」の可能性があり、その後下降に転じる天井のサインとなりうる。上昇が続いた後の、出来高急増にともなう下落は、売りが殺到して株価が急落する動きで「下降エネルギーが発生」した可能性が高い。株価が球状上して急落するパターンもある。下落が続いた後の、逆に、出来高急増をともなう下落は、いっせいに投売りが起こったセリングクライマックスによって、下降エネルギーが出尽くしたサインでもあり、株価が反転に向かう可能性が高くなる。


このような株価の特徴から、株式を買うタイミングとしては、もみ合いの状態から上に放たれる動きでもある「上放れ」と、上昇エネルギーがあって、上に向かう力が働いている上昇トレンドでも一時的に下がるが「押し目」がある。ただし、必ずそうなるというわけではないので「だまし」や「崩れ」に注意しなければならない。