セレンディピティをつかむには

逢沢(2007)は、セレンディピティ(幸運にめぐり合う能力)に必要な要素として、真っ先にパスツールの「幸運は備えある者のみに訪れる」という言葉を紹介している。幸運が目の前にやってきたときに、それに気づくかが大前提で、準備をしていなければ気づくことさえできないだろう。


さらに「寛容な心の備え」の重要性を説く。ノーベル賞白川英樹氏や田中耕一氏、そしてパスツールがワクチンを発明したきっかけはすべて失敗である。失敗したときに落胆したり悲観したり怒ったりするのではなく、常に楽天的で、失敗に対してさえ寛容で、さらにその失敗になんらかの偶然的なチャンスがあると感じてそれをものにしてしまう。これこそがセレンディピティの高さゆえに可能になることであろう。