イノベーションのジレンマ


BBR100: 映画みたいにベストビジネス書を読む100
http://d.hatena.ne.jp/Ue-kick/20051105

優れた大企業がやられちゃうのは、シンプルな理由です。カンタンに言うと・・・

1.企業は、「今の客」が求めないアイデアを切り捨てる仕組みになっている。別次元の将来の客のための技術に投資できない。

2.大企業は、成長率を維持するために、小さな市場にはかまっていられない。

3.破壊的技術市場は、大企業が得意な分析、綿密な計画ができない。

4.現組織は、現状に合わせてマキシマイズされている。場が変わると、対応できない。

5.技術進化のスピードが、顧客の需要を上回ってしまうことがある。

・インターネット販売は店舗販売に対する破壊的モデル。LinuxMicrosoftに対する破壊的テクノロジーBlackberryもノートPCに対する破壊的テクノロジーとして成功する可能性がある。

・破壊的イノベーションの原理は国家にもあてはまる。シンガポールは日本の経済停滞に対し、破壊的イノベーターと似た立場にあると思われます。日本が経済大国となった背景には、日本企業が破壊的イノベーターとして貢献したことから。例えば、ソニーは安い小型ラジオを、キヤノンは卓上コピー機を作りました。ローエンドから始まったこれらの企業が今ではハイエンドへと移行し、そして行き詰まっている。シンガポールは、過去の日本と同じ境遇にいます。つまり、ローエンドから始まり、単純な製品の生産拠点として、また安い労動力を武器に海外投資の誘引に成功した。しかし今は、ハイエンド側へと移行しすぎだが。

また、このような発言もしています。

マイクロソフトLinuxの市場崩壊に対し、「マイクロソフトを没落させる」ビジネスを別途立ち上げて対応すればよい、つまりハンドヘルド端末用のLinuxアプリケーションに投資せよ。

第3巡〜イノベーションのジレンマ
http://www.umekkii.jp/college/syllabus/03s_basic_project2/

本書は、ある業界をリードしてきた優良企業が、破壊的イノベーションに直面したとき、その地位を守ることに失敗するという現象の解明とその解決策で構成されている。
 第一章では、ハードディスク業界を例にとって、破壊的イノベーションが業界内でどのように優良企業を追い落としていったのかを見る。第二章では同じくハードディスク業界でのイノベーションの歴史を、「バリューネットワーク」という概念を使って、解析する。第一章〜二章での優良企業の失敗の理論は、以下の3つの発見に基づいている。第一に、「持続的」技術と「破壊的」技術の間の戦略的に重要な違いである。第二に、技術の進歩のペースが、市場の需要の変化のペースを上回ることが多いということである。第三に、実績ある企業の顧客構造と財務構造が新技術への移行を困難にしているということである。続く第三章では、ディスクドライブ業界と同じことが、掘削機業界でも起きていることを記す。第四章では、優良企業が、そのバリューネットワークの構造的特徴により、破壊的技術によって開かれた下位市場に移行するのが困難であるという理論を、鉄鋼業界を例に展開している。