技術者と組織

洗脳するマネジメント~企業文化を操作せよ


80年代中頃にコンピュータ市場を席巻していた旧DECが、どうやって社員を洗脳し、強い企業文化を浸透したのかを克明に記録した異色の企業研究。当時この会社は、IBMと並ぶほどの威容をほこり、理工系学生にとってあこがれの存在だった。社員の会社への忠誠心は高く、経営トップも企業文化を定着させようと、電子メールやビデオ、印刷物などを使って、意図的に社員の「滅私奉公」を奨励。そうした過程や優秀な技術系の社員の多くが経営サイドの誘導にのせられて仕事中毒気味になって、燃え尽きていくさまなどがリアルに描かれる。13年前の発表当初から高く評価され、組織民族誌エスノグラフィー)という研究分野における代表作のひとつ。


80年代・米国ボストン郊外、ルート128号線沿い―。スター技術者が繰り広げる祝祭と仕事中毒で燃え尽きる社員たち。一時代を築いたあの会社で実際に行われていたことは?急成長を遂げたハイテク企業に潜入して、「文化操作」の事実を記述し、組織民族誌の新潮流を切り開いた企業文化研究の必読書。