講義に関するQ&Aおよび補足

Organizational structure


製品開発の知識
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新書という手軽な書でありながら、製品開発のマネジメントの要所が押さえられてある。研究開発における組織構造をどうデザインするべきかについても言及されている。


組織の経営学―戦略と意思決定を支える
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今回の組織設計論を含む、いわゆる「組織論」では比較的人気のあるテキスト。組織論が網羅的に学習できる。

Negotiation


ハーバード流交渉術

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ハウツー本の文庫かと思いきや、実は交渉学発展の礎となった歴史的名著です。原著とも日本語訳ともややこなれないために、少なくとも2〜3回は読み直さないと、本書のすばらしい点が伝わってこないのですが、読み返すたびに交渉の本質がわかってくる良書です。


マネジャーのための交渉の認知心理学―戦略的思考の処方箋

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人間心理のさまざまな法則から、交渉で陥りがちな罠を指摘し、どうすれば理にかなった交渉をすることができるかについてわかりやすく解説されています。交渉上手になるためにぜひ読んでおきたい本です。

Motivation (application)

従業員のモチベーション向上策というと、賃金制度の変更がまっさきに思い浮かぶかもしれませんが、以下の2冊は、従業員を元気にさせるためのさまざまな工夫が紹介されています。

1001 Ways to Reward Employees
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1001 Ways to Energize Employees
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Emotions

EI(Emotional Intelligence)は、日本ではIQをもじったEQという言葉で紹介されることが多いです。次のような書籍があります。


EQリーダーシップ 成功する人の「こころの知能指数」の活かし方
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Value

質問:会社は自分と同一価値観の人間を採用したほうが生産性が高くなるというようなことを講義で触れられたが、同一価値観であるかどうかを判断するのが極めて難しいと思う。多分あらゆる方面に対する価値観ではなく、一定の価値観を指すのだろうが、それでも判断すべき要素、または外部環境の要素があるので、どうやって判断すれば的確な答えになるのか。また、会社に同一価値観の人間ばかり集まると、
同じ間違いを犯してしまいそうな気がしますが、どう思うか。

回答:まず最初に「同一の価値観の人材を採用した方が好ましい」というのは一般的にそうだろうと思われていますが、当然、コンティンジェンシーの考え方を適用するならば「どういった条件のもとでそうなのか」ということを考える必要があります。
現実の世界でどのようにして価値観が一致しているかを判断するかということですが、面接に力を入れている企業、その中でもとりわけ面接の中身が、価値観が一致しているかどうかを強調するような企業が例としてあげられます。また、万能ではありませんが、テクニカルに価値観の一致を測定しようとする統計学的な方法もあります。
価値観の共有度が強い組織は、いわゆる「強い企業文化」を持つ組織だといえますが、その組織が本当に強いかどうかは、条件があると思われます。例えば、その企業文化の基礎となる価値観が、企業競争力と整合していないといけないでしょう。生産性に寄与しない価値観が共有されていてもダメですよね。また、時代が変われば、その価値観の優位性もなくなるリスクも考慮しないといけないでしょう。強い企業文化で成員の行動をコントロールするということは、何らかの時代的な変化によって、その企業文化が企業競争力に役立たなくなってしまったときに、組織の弱さが露呈してしまうことのリスクもあるでしょう。とりわけ、組織が同質的になることの問題点は研究でもよく指摘されるところです。つまり、どんな長所も短所になりうるので、どの条件で長所がほんとうに生産性に結びつくのか、どのようなときにそれが短所となって企業競争力を阻害するのかといった研究が、今後もますます進んでいくべきでしょう。