業績インセンティブ報酬の論点


インセンティブ報酬の目的は、従業員の努力を、適切な方向にむけて最大化させることである。


「従業員の適切な努力に対して報いるべきである」というのが、インセンティブの基本である。「適切な努力の方向性」は、企業戦略や業務・仕事のデザインから導かれるものであり、もし、従業員が、企業の意図したとおりの努力を行なっても、実際の個人および企業業績が高まらなかった場合は、それは従業員の責任ではない。多くの場合、企業の戦略や業務・仕事のデザインが間違っていたということになる。


しかしながら、企業として、各従業員が適切な努力を行なっているのかどうかを把握することは困難な場合が多い。その場合に、業績を、従業員の努力のあらわれであると解釈し、報酬決定の基準とすることが考えられるのである。