計画された偶発性(クランボルツ)

Planned Happenstance

偶然におきる予期せぬできごとからも自分のキャリアは形成され開発されるものであり、むしろその予期せぬできごとを大いに活用すること、偶然を必然化することを、クランボルツは勧める。


つまり、われわれのキャリアは、それぞれ予期せぬ出来事によって決定される。そして、われわれが人生上遭遇するその予期せぬ偶発的な出来事を「上手に活用する」ことによって、ただの偶発的出来事もキャリア形成の力に変えていくことができる。それは、ひとりひとりの主体性であり意識的努力によるものである。なぜなら、偶然的な出来事が起こるその前には、自分自身の様々な行動が存在するからであり、その行動が次に偶発的に起きる出来事を決定しているともいえるからだ。

つまり、自分自身の主体的な行動、意志を持った行動がなければ、その偶発的な出来事も起こらないはずであり、本人にとっては意図せざる偶発的な出来事に見えても、もしかしたら客観的に見れば、本人の行動がその出来事招くという必然的な成り行きだったかもしれない。あるいは、偶発性があったとしても、本人の行動が、その出来事を生起させる確率を高めていたと考えることもできるのである

キャリアは用意周到、綿密な計画によって準備できるものと思ってはいけない。むしろ、偶発的にいつかやってくるかもしれない絶好のチャンスに備えて予期せぬ出来事が起こるときのために準備し、心を開いておかなければならないとクランボルツは述べる。大切なのは、そういった予期せぬ出来事を避けるのではなく、むしろ積極的に自ら創り出すことであり、それを自分のキャリアに意図的に活かすことでだる。すなわち、キャリアチャンスはおとなしくただ待っていても訪れるものではなく、自ら行動をおこしてチャンスを生み出し、自分の手で掴み取るものである。


引用文献
キャリアカウンセリング
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