2011 組織論(阪大学部)講義ページ

お知らせ

  • (7/21)第3回アンケート実施時にやむを得ず欠席をして機会を逃された方は、期末試験終了後、夕方ぐらいまでに研究室(本館3F)にお越しください。
  • (7/20)本日配布予定だった資料をWebCTにアップロードしておきましたので必要な方はダウンロードしてください。新しい内容は含まれておらず、今学期カバーした内容のポイントが列挙してあります。教科書、講義ノート、配布資料などを参照しながら各自復習を行ってください。
  • (7/12)第3回アンケートは7月13日に実施します。
  • (6/1)第2回アンケートを6月15日に実施します。
  • (4/13)第1回アンケートを4月27日に実施します。
  • (4/11)講義関連のファイルは、当面のあいだWebCT経由で提供します。
  • (4/4)講義のページを開設

講義情報

  • 第1回講義:現代社会とネットワーク組織(テキスト:若林1章、2章)
    • なぜ組織論を学ぶのか。古代から産業革命を経てIT革命にいたる時代および組織の変化と、ネットワーク資本主義。組織論にネットワーク的視点を導入することの重要性と有用性。
  • 第2回講義:伝統的組織論からネットワーク組織論へ(1)(テキスト:若林2章、3章)
    • ネットワーク組織と対比的に取り上げられる大規模官僚制組織に関する理論枠組みに始まり、合理的システムモデル、自然システムモデル、コンティンジェンシー理論などを概観。
  • 第3回講義:伝統的組織論からネットワーク組織論へ(2)(テキスト:若林6章、7章)
    • 組織間関係を主たる対象とする最近の組織論(組織の経済学、資源依存理論、新制度派組織論)を概観し、ネットワーク組織論との関連性を議論。
  • 第4回講義:ネットワーク理論の基礎と古典(1)(テキスト:若林9章、10章)
    • 組織生態学を含め過去の復習をしたのち、ネットワーク理論の古典として、ホワイトの経済社会学の理論と、グラノベッターの弱い紐帯の強さの理論を紹介。
  • 第5回講義:ネットワーク理論の基礎と古典(2)(テキスト:若林10章)
    • バートの構造的空隙の理論を概観した後、6次の隔たり、スモールワールド・ネットワーク、スケールフリー・ネットワークなどのネットワーク・サイエンスの代表的な研究を紹介。
  • 第6回講義:ソーシャル・キャピタルの理論(テキスト:若林11章、12章)
    • ネットワーク分析における中心性、密度、同値などの概念を理解したのち、ソーシャル・キャピタル概念の基本的枠組みについて解説。
  • 第7回講義:ソーシャル・キャピタルとネットワーク埋め込みの理論(テキスト:若林8章、11章、12章)
    • ソーシャル・キャピタルが価値をもたらすメカニズムについて、ネットワークの構造および内容の視点から解説。および、ネットワーク埋め込みに関する基本概念と研究成果を紹介。
  • 第8回講義:組織間関係および戦略的提携(テキスト:若林4章、11章、12章)
    • 関係的埋め込みと構造的埋め込みの特徴を説明した後、組織の戦略的提携ネットワークについて概観。
  • 第9回講義:ネットワークのステイタス理論
    • 戦略的提携におけるネットワーク理論からの理解について解説し、ネットワークのステイタス理論について理解
  • 第10回講義:ネットワークと正当性
    • ネットワークのステイタス理論に基づく実証研究を解説し、正当性にからむ組織の行動をネットワーク的視点から理解
  • 第11回講義:役員兼任ネットワーク(テキスト:若林7章、9章)
    • 役員兼任ネットワークを組織間の関係とは異なる視点から概観し、企業統治の構造、社外取締役の特徴、役員兼任ネットワークを通じた経営施策の伝播、パワーエリートの形成などとの関連について解説。
  • 第12回講義:ネットワーク組織、企業集団(テキスト:若林1章〜7章)
    • 財閥や企業グループ、中小企業集積に代表される組織間ネットワークの特徴について理解し、最後の締めくくりとして、ネットワーク時代の個人のキャリアについて解説。
  • 第13回講義:これまでのまとめ

講義関連ファイル置き場

講義関連リソース

社会ネットワーク理論の参考書(教科書や講義以外でもっと詳しく勉強したい人に)
http://d.hatena.ne.jp/tomsekiguchi/20110216/1297869164
社会ネットワークに関する研究ノート
http://d.hatena.ne.jp/tomsekiguchi/20110327/1301228390
ウィキペディアで学ぶ組織論
http://d.hatena.ne.jp/tomsekiguchi/20110407
組織生態学・組織エコロジー
http://d.hatena.ne.jp/tomsekiguchi/20110418/1303110837
ネットワーク理論の基礎
http://d.hatena.ne.jp/tomsekiguchi/20110505
ネットワーク理論用語集
http://d.hatena.ne.jp/tomsekiguchi/20110510/1304994914
複雑ネットワークモデル
http://d.hatena.ne.jp/tomsekiguchi/20110516

講義の目的

近年、組織論の世界で急速に発展しているのが、ネットワークの視点です。ここでいうネットワークとは、組織の中もしくは組織内外で人々がネットワークでつながっているという意味合いもありますし、組織間がネットワークでつながっているという意味合いもあります。また、インターネットやソーシャル・ネットワーキング・サービスSNS)の存在にも見られるように、現代はネットワークの時代であるといっても過言でないでしょう。


ネットワークの視点がなぜ大切かというと、私たち個人にしても組織にしても、だれとあるいはどんな組織とつながっているかによって、思考や振る舞い、そして出世や業績が決まってくると考えられるからです。つまり、活動主体を取り巻くネットワークの特徴がわかれば、その活動主体の振る舞いもある程度予測できると考えられるわけです。したがって、個人も組織も、自分の周りにどういったネットワークを構築していくかは成功を左右する重要な要素であるといえるでしょう。


そこで本講義では、ネットワーク理論という枠組を使って、組織内における人間関係と個人行動、組織間関係と組織の振る舞い、さらに広く産業全般における現象を理解していくことを目的とします。そうすることによって、受講生のみなさんが自分自身のキャリアの指針を考えたり、社会人になった後に、どう組織とつきあっていくか、どう組織を動かしていくかなどについて考えたりするうえでの、幅広い洞察が得られるようになることを目的とします。

成績評価

  • 学期末試験(試験内容については講義期間中に説明します)
  • 研究協力(ボーナス)
    • 学期中に調査(アンケート調査など)に協力してもらった場合には、数点をボーナス点として加算します(実施のタイミングについてはブログで案内します)。

講義予定暫定版(変更の可能性あり)

1. (4/13) イントロダクション
2. (4/20) 伝統的組織論からネットワーク組織論へ(1)
3. (4/27) 伝統的組織論からネットワーク組織論へ(2)[第1回アンケート調査実施予定]
4. (5/11) ネットワーク理論の基礎と古典(1)
5. (5/18) ネットワーク理論の基礎と古典(2)
6. (5/25) ソーシャル・キャピタルの理論
7. (6/1) ネットワーク埋め込みの理論
8. (6/8) 組織間関係、戦略的提携
9. (6/15) ネットワークのステイタス理論[第2回アンケート調査実施予定]
10. (6/22) ネットワークと正当性
11. (6/29) 休講
12. (7/6) 役員兼任ネットワーク
13. (7/13) ネットワーク組織、企業集団[第3回アンケート調査実施予定]
14. (7/20) まとめ