ヒューマンリソースマネジメント(大阪経済大学大学院・北浜キャンパス)

講義ページ

**レポート課題のお知らせ
実在する人事制度について、経営上の有効性を分析してください。分析にあたっては、講義で行った前半部分(実践的な視点)および後半部分(経済学的分析)の両方を含めること。改善可能な場合にはその点についても言及してください。

  • 人事制度はお勤め先のものでも、他の組織のもの(取引先、元勤め先、公開された有名企業の資料など)でもかまいません。組織名は匿名でもかまいません。
  • 分析対象は、個別の制度(採用、評価、教育、賃金など)でも、人事制度全体でもかまいません。

分量の規定はとくに設けませんが、目安としてA4用紙で4〜5枚程度。
6月12日までに事務室に提出。

テーマ:企業業績を高めるための人的資源管理システムとは

企業にとってヒト(ヒューマンリソース)は、最も重要かつマネジメントの難しい経営資源の1つである。この「ヒト」という経営資源を効果的に活用し、企業業績を高めるためには、たんに規制で定められている労務慣行、他社と横並びの人事制度を遂行するだけではなく、企業の理念、文化、戦略などと整合的な人事システムを構築することが必要となる。また、市場を見据えたうえで、企業利益を最大化するために効率的にヒトを活用するという意味での経済合理性という観点も考慮する必要がある。本講義では、このような「戦略的視点」および「経済合理性の視点」から、企業のヒューマンリソースマネジメントのあり方について議論する。受講生は、企業の現場で行われている一般的な人事制度の知識。例えば、新規採用の方法、賃金の決まり方、査定の方法などを予備知識として持っていることが望ましい。講義形式は、受講人数にもよるが、基本的には資料の輪読と議論の場とする。よって、受講者は担当する箇所を事前に準備しクラス当日に発表する責任を負うとともに、クラスにおける議論を積極的にリードする役割も期待される。

テキスト

今野浩一郎佐藤博樹著「人事管理入門」日本経済新聞社
「面白い」人事の経済法則(北浜キャンパス事務室にて配布)

  • その他資料が生じた場合は、講義中もしくは講義開始前に配布する。
授業のフォーマット

各回について、3時間の授業を、前半と後半に分ける。前半は主に「人事管理入門」に基づく内容。後半は主に「人事の経済法則」に基づく内容とする。

ミニ・レクチャー

本講座受講生は、開講期間中、少なくとも1回、教科書の担当する章の「ミニ・レクチャー」をする。ミニ・レクチャーについては、章の内容の重要な部分を短時間で解説するとともに、それに関連するディスカッションをリードする。レクチャーは長々と行う必要はなく、あくまで該当する章を事前に読んできてもらっていることを前提に、重要な部分を再確認するようなものでよい。よって、事前準備としては、ハンドアウトやスライドなどの資料を作成し、ディスカッション質問を考えておくことが求められる。本講義は、実務に携わる人々から構成される社会人大学院であるため、ディスカッション質問の内容とそれに基づいた実りある議論や情報交換が重要である。もちろん、レクチャー担当者以外の受講生も、教科書の該当する章を読んできて、当日のディスカッションに備えておく必要がある。

成績評価

クラス貢献度(出席、発表、発言等):60%
レポート試験(出題は後日):40%

日程
第1回(4/10)

前半
オリエンテーション
1. 人事管理のとらえ方
2. 戦略・組織と人事管理
後半
1章:採用の経済法則

第2回(4/17)

前半
3. 社員区分制度と社員格付け制度
4. 採用管理
後半
1章つづき
2章:選考・配置の経済法則

第3回(4/24)

前半
5. 配置と異動の管理
後半
5章:教育訓練投資の経済法則

第4回(5/8)

前半
6. 教育訓練
7. 人事評価
8. 昇進管理
後半
4章:昇進構造の経済法則

第5回(5/15)

前半
9. 報酬管理
10. 福利厚生と退職金・企業年金
後半
3章:賃金設計の経済法則

第6回(5/22)

前半
11. 労働時間と勤務場所
12. 生活と仕事の調和
13. 雇用調整と退職の管理
後半
6章:日本的人事制度の経済法則
7章:リストラ・雇用調整の人材法則

第7回(5/29)

前半
14. パートタイマーや外部人材の活用
15. 労働組合と労使関係
後半
補1.グローバルな人的資源戦略
補2.人事労務管理(海外事例)