行不由径(こうふゆけい)

武田(2007)は著書の中でいくつかの故事成語を紹介している。例えば、行不由径(こうふゆけい)「行くにこみちによらず」。孔子の言葉で、安易な近道を選ばず王道を歩めということだ。道を行くなら小道を通らない。堂々と表通りの大道を歩む人生。


淮南子の言葉で「陰徳陽報」。陰日なた無くコツコツと世の中のためになることに励みなさいということである。そうすることが長い目では自らが報われるという意味である。そして「誠実」。中国古典の中庸に「誠は天の道なり。これを誠にするは人の道なり」という一説があり、「天地の森羅万象はすべて誠すなわち真実で偽りがない原理・原則で動いている。人もまた誠を本性として持っているが、さまざまな欲に曇らされこれを保つことができない。それゆえに、人は勤めて誠の道を求めていかなければならない。誠を身につけて人だけが、真に世の中に感化を及ぼすことができる」ということである。誠実をさらに分解すれば「正直」「公正」そして「不屈」という行動の積み重ねから成り立っているのだと武田は言う。