http://gchd.livedoor.biz/archives/cat_749869.html
ウィリアム D. ギャン(1878〜1955)は20世紀前半に活躍し、伝説化された商品・株式のトレーダーで最も成功したテクニカルアナリストの一人でもあります。
晩年になって、彼がトレーディングに成功したルール、考え方を体系化したのがギャン理論です。
彼の理論の中心は、「時間は全ての要素の中で最も重要なもので時間という要素は値動きの大きさ、出来高という2つの要素に勝る程重要である」(「商品で儲ける法より」)そしてギャン理論は「相場観測法」「予測法と建玉法」「運用ルール」に大別されます。今回は特に有名な「価値ある28のルール」を紹介していきたいと思います。
http://www.sevendata.co.jp/nouhau/mezase/bunseki/04.html
読み物としての著作も多く、「商品で儲ける方法」に記述している「価値ある28のルール」の内容は、現在でも通用するルールです。
- 資金を10等分し、1回の取引に資金の10分の1以上のリスクを決して取らない。
- ストップ・ロス・オーダーを使うこと。取引においては常にストップ・ロス・オーダーを置いてポジションを守ること。
- 過剰売買は決してしない。これをすることは資金運用の原則に反することになる。
- 儲けを損失に変えない。含みが出来れば、利益を失わないようにストップ・ロス・オーダーを近づける。
- トレンドに逆らわない。自分のチャートとルールに従って、相場のトレンドに確信が持てないときは 売買しない。
- 疑わしいときは手仕舞い、取引をしないこと。
- 活発な銘柄のみを取引する。動きが鈍く、活気のない銘柄には手を出さない。
- リスクの均等分散。4〜5銘柄を取引する。全資金を1銘柄に集中させることは避ける。
- 指値をしてはならない。成り行きで売買する。
- 充分な理由なしで手仕舞わない。利益を守るにはストップ・ロス・オーダーを使う。
- 実現益は蓄積せよ。連続して成功したら、一部は温存し銀行口座にいれ、緊急時やパニック時にだけ使うこと。
- 配当目当てで株を買わない。
- ナンピンをしない。ナンピンはトレーダーの最大の誤りである。
- 我慢できないというだけで相場から逃げない。また待ちきれなくなったと言うだけで手を出さない。
- 小さな儲けと大きな損は避ける。
- 建玉と同時にストップ・ロス・オーダーを出し、これをキャンセルしない。
- あまり頻繁に売買しない。
- 買いを厭わないのと同様、空売りを厭わないこと。トレンドに追随し儲けることを目的とする。
- 安いというだけで買ってはならないし、高いというだけで売ってはならない。
- ピラミッディングのタイミングに注意する。取引が活発になり抵抗線を抜けるのを待ってから買い増しし、支持水準を割るまで待ってから売り増しする。
- 買いのピラミッディングするには強力な上昇トレンドを示す商品を選び、売りのピラミッディングをするには明確な下降トレンドを示す商品を選ぶこと。
- ヘッジは決してしない。ある銘柄を買い建てしていてその価格が下がり始めた時、これをヘッジしようとして別の銘柄を空売りしてはならない。この場合は相場から手を引いて損を確定し、次の機会を待つこと。
- 充分な理由なしにポジションを変えないこと。取引をする場合は充分な理由に基づくか、または明確な計画によること。またトレンドが変わる明白な徴候なしには手を引かない。
- 長期間成功し儲けた後で取引量を増やすことは避けること。
- 相場が天底となるときを当て推量してはならない。明確なルールに従うことで相場をすることができる。
- 自分よりも相場を知らない人の助言に従ってはならない。
- 損が出た後では取引量を縮めよ。決して増やしてはならない。
- 間違えて入る事を避けるのと同じく、間違えて手仕舞うことも避ける。
<参考文献>
日本テクニカル大全 日本テクニカルアナリスト協会編
W・Dギャン著作集Ⅱ 日本テクニカルアナリスト協会訳編
青柳孝直のブログ
http://aoyagi-office.jp/blog/