http://www.mainichi.co.jp/syuppan/economist/040914/1.html
一種の組織革命とも言うべき変革・再編は、これを主導したラムズフェルド国防長官の個性に負うところが大きい。・・・
旧来型の発想から脱皮できない軍官僚は「改革」を阻む抵抗勢力となった。就任直後、ラムズフェルド氏は外部のシンクタンク、研究者らを使って、過去のしがらみに縛られない組織改革を進めようとした。当然ながら、カヤの外に置かれた国防総省幹部からは猛反発を受けた。・・・変革・再編が進めば、必要のない部隊など兵力は削減されることになり、既得権益を守りたい軍官僚らの勢力は反発することになる。
国防総省は21世紀型の軍事戦略への転換を模索してきたわけだが、兵力・装備の変革の流れを決定づけたのは91年の湾岸戦争だった。・・・こうした流れを具体化させたのがブッシュ政権だった。ラムズフェルド氏主導の変革・再編ではあるものの、01年QDRでは従来の「2正面作戦」からの脱却を唱えている。
ラムズフェルド氏にとっても9・11テロは衝撃だった。・・・しかし、防衛関係者の間では「ラムズフェルド氏が主導した組織革命の流れは変わらないだろう」と受け止められている。