[ob1]雇用関係についての再考

ケース

景気後退のあおりをうけ、A社の売り上げは減少ぎみである。需要が減退しているため、製品の価格を下げざるをえず、それがA社の利益を圧迫し、人材の余剰感がでてきている。

経営会議で、以下のような提案が生産部門から出た。人材に余剰感がある。しかし、リストラによる人員削減には踏み込めない。よって、余剰人員を活用するために、現在外注している部品の内製化をすすめたい。すなわち、部品の購入をやめ、生産部門の一部人員を異動させて自社の社員にやらせるわけである。そうすれば、あまった人材を活用することによって、部品の購入費が節約できるため、企業にとって、利益の上昇要因になる。

このロジックは正しいだろうか。

機会コスト

もし、人員を内製部門に移すとすれば、移すことによって、現在行なっている業務が失う利益。話はちがうが、例えば会社を休職して大学に通う場合、授業料だけがコストではなく、休職することによって失う利益(働きつづけていたならば得られる給与総額)も「機会コスト」として考慮すべきである。つまり、会社を休職してまで勉強することによって得られる価値が、授業料+機会コストよりも高ければ、その選択肢は経済合理的である。授業料とだけ比べるのは不適切である。

労働の価値

企業に過剰労働が存在しているからといって、労働の価値がゼロというわけではない。ただ、もらっている給料ほどの値打ちがないというだけである。彼らでも稼動すればなんらかの価値を生み出す。彼らを例えば内製化にあてるということは、その価値が機会コストになるわけである。とりわけ、いま取り組んでいる仕事よりも新しく行なう仕事のほうが生産性が低い場合には、いかにも余剰人員を活用して外注費を節約しているかのように見えるが、実は逆に損をしている。

原価計算方式、プロジェクトベース方式


ケース

ある大手のガソリンスタンド会社は、直営とフランチャイズの両方をミックスした経営をしている。この会社は、片田舎のガソリンスタンドにはフランチャイズ方式で、高速道路や幹線道路におけるガソリンスタンドには直営方式で、経営をしている。この根拠は何か。

ケース

B社は、固定給の報酬から、成果に応じたボーナスを含む報酬に変えることを考えている。そうすることによって、どれだけ会社の利益が増大するかをあらかじめ予測したい。

予備知識
無差別曲線と予算制約線