無差別曲線、予算制約線、および均衡購入量

無差別曲線

複数の財の組み合わせにおいて、無差別曲線上の点であれば、どの点においても幸福度(効用)は同じであることを示す。お互いに補完する財の場合、通常は無差別曲線は原点に対して凸となる。


たとえば、ハンバーガー2個と250mlのコーラをいただいたときの幸福度と、ハンバーガー1個と350mlのコーラをいただいたときの幸福度が同じである場合、この2つの組み合わせのうちどちらでもよいわけであるから、2つの組み合わせは無差別曲線上にあると言える。この場合、仮にハンバーガーを5個手に入れるのと同時にコーラを10mlしかもらえなければ、幸福度は下がる。なぜなら、ハンバーガーとコーラの組み合わせが大切だから(相互の補完している)からである。よって、ハンバーガー5個の場合であっても、右下がりの直線上の点として考えられるコーラの量よりも多くのコーラをもらわないと、幸福度は同じにならない。よって、曲線の形は原点に対して凸となるのである。コーラばかり1リットルもらってハンバーガーが1/10キレのような場合も同じで、もっとたくさんのハンバーガーをもらわないと幸福度が同じにならないのである。

予算制約線

同額の支出になる組み合わせで、予算があるときはその線を越えられない制約。通常は直線となり、価格線の勾配は相対価格(例、Bの価格/Aの価格)である。


たとえば、予算が1000円もっているとして、その予算を使い切るかたちでハンバーガーとコーラを買うときの組み合わせが予算制約線上の組み合わせで、何通りも存在する。

均衡購入量

予算制約線と、無差別曲線の接点の部分が、均衡購入量である。つまり、予算をいっぱいいっぱい使って手に入れることができる、幸福度を最大化する財の組み合わせである。


たとえば、予算制約線と無差別曲線が交わっているとする。そうすると、予算制約線の内側(原点側)に、無差別曲線が入り込んでいる。ということは、交わっている点で財を購入するよりも、予算制約線の内側の点で買い物をしたほうが、幸福度は同じなのにおつりが来ることになる。ということは、予算をいっぱいいっぱい使ってもっと幸福度が高まる組み合わせがあることを示唆している。この場合、その人の無差別曲線は、右上に移動する。右上に移動するということは、効用水準が高まる、つまり、より高い幸福を得るための曲線に移動することになる。無差別曲線が右にシフトすると、どこかで、予算制約線と接するところまで行き着く。この点が、さっきよりも高い幸福度でありながら、予算でまかなえる購入量の組み合わせにほかならない。これよりもさらに無差別曲線が右上にシフトすると、今度は予算制約線と接することはできなくなってしまう。ということは、それ以上に幸福を追求する度合いを高めると、予算ではまかなえない水準に達してしまうことを意味する。よって、予算制約線と無差別曲線が接するところにおいてシフトはストップし、そこが均衡購入量となるのである。