経営組織論Ⅰ(北浜キャンパス)講義ページ


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営業パーソン講座・参考図書
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What's new(お知らせがある場合にはここに掲載します)

  • 期末レポート課題のお知らせを追加しました。
  • 初日に欠席した方は、シラバスを北浜キャンパス事務室で受け取ってください。できればクラスメートなどに初日の様子と取り組んだ内容を聞いておいてください。


期末レポート課題


推薦図書(各セッションで扱ったテーマに関連する図書の紹介です)

シラバス

本コースの目的

本コースは、ミドルマネージャ、組織設計担当者、または経営者として、経営組織をマネジメントしていくのに必要な知識やスキルを習得することを目的とします。ほとんどの方が現在、組織で働いていると思いますが、組織のマネジメントとはどういうことかということを、自分自身の職務経験と照らし合わせながら深く考え理解することによって、今後のキャリアに生かしてもらいたいと思っています。組織のマネジメントは、用語を暗記したり、公式を覚えたりすることで身につくものではありません。基本コンセプトが理解できても、それをどう現実の世界で応用するかを深く考え、実践することが求められます。そのため、ともすれば受身になりがちなレクチャーに偏ることなく、ケーススタディ、エクササイズ、ディスカッション、プレゼンテーションなどのクラスアクティビティとレクチャーを取り混ぜ、それぞれが自らの経験から得られた知識やスキルを仲間に提供し、お互いに学びあえるクラス運営を行ないたいと思います。受身の授業とは、3時間講師がしゃべり続ける授業です。このクラスはそれと正反対を目指します。つまり、クラス全体のクオリティを高めるために、みなさんからの積極的な貢献が求められます。

クラススケジュール
Week1:マネジメント・リーダーシップ・モチベーション

クラス形式:自己紹介、ディスカッション、レクチャー

本コースの最初ですので、まずは自己紹介をしながら、お互いに学びあえる雰囲気づくりをしましょう。本コース全体の流れが説明されたあと、事前のリーディングに基づいて、組織のマネージャーの仕事とは何か、どのような役割を担っているのかを考えましょう。そして、マネジメントの分野でも特に重要なリーダーシップとモチベーションについて基本的なコンセプトを概観しましょう。

Week2:製品開発やプロフェッショナルのマネジメント

クラス形式:エーザイのケースディスカッション、レクチャー

イノベーションが求められる企業の研究開発部門のマネジメント、もしくは全員が自律的なプロフェッショナルからなるような集団のマネジメントは、一般的な社員からなる部署の管理と比べて、かなりチャレンジングであると思われます。こういった集団を効果的にマネージしていくためにはどういったポイントを考える必要があるのでしょうか。エーザイの新製品開発のケースについてディスカッションしながら考えてみましょう。

ディスカッションクエスチョンズ

  1. アリセプトの開発の成功までには長い道のりがあったが、その中で重要な分岐点をいくつかあげるとすればどこか。そこでどのような意思決定や行動がとられたか。そこからわれわれは何を学ぶか。
  2. ケースに登場する重要人物について、それぞれの人物が、アリセプトの開発の成功に果たした役割は何か。とくにリーダーシップやマネジメントという視点からみると、どのような特徴があるか。
  3. エーザイにおける組織の特徴は、アリセプトの開発の成功にどのような影響を与えたのであろうか。ケースで紹介された組織の構造は、製薬の研究開発にとってベストのものであろうか。他の業種・業界の場合はどうであろうか。
  4. 本ケースから、研究開発組織のマネジメント一般について、どのような教訓が得られるか。
Week3:ビジネス・ネゴシエーション

クラス形式:ネゴシエーション・エクササイズ、レクチャー

普段意識しないかもしれませんが、私たちの毎日はネゴシエーション(交渉)の連続です。例えば、ランチタイムに同僚とどの店にいくべきか話し合ったり、家でチャンネル争いをしたり、子供に勉強するように説得したりすることはすべて交渉です。交渉が上手になることによって、組織マネジメントの力もついてくるでしょう。では、交渉が上手いこととはどういうことを指すのでしょうか。交渉力を高めるにはどうすればよいのでしょうか。ネゴシエーション・エクササイズに取り組みながら考えてみましょう。

Week4:組織デザインの原理と実際

クラス形式:ソニーのケースディスカッション、レクチャー

今回は、組織構造を設計するさいの基本的な原理原則について理解を深めることを目的とします。まず、ソニーのケースを用いながら、現実におけるとくに大企業の組織デザインの実際についての理解を深めます。その後、基本に戻って組織構造のデザインとは何かについての基本的な考え方を概観し、仮に自分が組織設計の責任者となった場合に、どのようなロジックで組織をデザインしていくべきかについての洞察を深めましょう。

ディスカッションクエスチョンズ

  1. ケースの中で、ソニーの組織改革・組織再編が描かれているが、それぞれ、どのような意図で改革されたのであろうか。
  2. ケースで紹介された複数のカンパニー制の長所と短所はどこにあるか。組織改革によって、ソニーのねらいは実現する(した)と思うか。
  3. あなたがソニーのCEOだとすれば、ケースで紹介された新しいカンパニー制を、さらにどのような形で発展、もしくは改造するか。
Week5:変化に克つ組織マネジメント

クラス形式:「踊る大捜査線」に関するディスカッション、レクチャー

変化の激しい業界、臨機応変が求められる仕事において勝てる組織づくりとはどんなものなのでしょうか。組織はまさに複雑系そのものでもあります。変化の波に乗りながら、どうこの複雑な組織の舵取りをしていく必要があるのでしょうか。「踊る大捜査線」は、刑事ドラマではありますが、実は組織のマネジメントを考えるうえで有益なトピックを提供してくれる作品です。この作品についてディスカッションをしながら、変化に克つ組織マネジメントとは何かを考えて見ましょう。

  • ドラマおよび映画「踊る大捜査線」をこれまで知らなかった人、全く見たことがない人は、この回までにできるだけ機会を作って、見ておくことをお勧めします。
Week6:危機管理の組織論

クラス形式:東海村臨界事故のケースディスカッション、レクチャー

最近、JR福知山線脱線事故という悲惨な事故がおきました。これまでにも、企業の存続をおびやかしかねない、さまざまな事故や企業の不祥事が発生しています。企業は利益をあげるために業務を効率化していかねばなりません。しかし、効率化を追求するあまり、安全管理を怠ったり、ルールを無視した現場の動きを見過ごしたりしていれば、それは企業の存続をも左右する大事件に発展しかねません。組織の責任者としては、どのように危機管理に取り組むべきなのでしょうか。東海村臨海事故のケースをディスカッションしながら、組織マネジメントと危機管理について考えて見ましょう。

ディスカッションクエスチョンズ

  1. なぜ臨界事故を事前に防ぐことができなかったのだろうか。JCOの組織体制のどこに問題があったのだろうか。
  2. 臨界事故という不測の事態の発生に対し、各関係機関の動きの中でどのような問題が生じたか。どうすればもっと好ましい動きが可能となったのだろうか。
  3. あなたが、原発関係のように危険度が非常に高い業務の組織を管理する立場にいたら、どのような点に注意して組織構造や業務システムづくりを行なうか。