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西田は,やがて《自覚に於ける直観と反省》(1917)等の著作を通して,
はじめの純粋経験の立場のもつ主観主義,主意主義にきびしい批判を重ね,ついに〈場所の論理〉に到達した。
それは,実在の根底を弁証法的一般者とし,
単に反省的思惟ではない行為的直観における
その自己限定とし世界をみる〈絶対矛盾的自己同一〉の論理であり,
〈知〉と〈行〉の一致の極致としての絶対無の弁証法的論理であった。
ここに近代西欧の理性主義的論理を超える東洋文化の哲学的根拠が与えられたとされ,
〈西田哲学〉の呼称も,この立場を明確にした《働くものから見るものへ》(1927)が世に出されるころから行われた。