勢い

「昔の自分には勢いがあった。多少無茶してもやっていけた。」というような想い出があるとする。実際に、自分がうまくいっていたのは、「勢い」という曖昧なものが実在していたからというよりは、その状況を事細かに「分析」すれば、それなりに成功する要因が特定できるかもしれない。しかし、ひとは、常にそういった分析を行なうことによって、場合によっては重箱の隅をつつくような思考をするわけではない。むしろ、「勢い」というように、たしかに曖昧で実在性に疑念が抱かれるような概念であっても、それを使うことによって適度に分析的思考を省略し、状況判断を大まかに、大局的な観点からできることを可能にしているのではないだろうか。