2010年度 組織論(阪大学部)講義シラバス

時間・場所

水曜3限、4番教室

講義内容

現代社会において、「組織」はなくてはならない存在です。わたしたちは、何らかの形で組織に関わって生活しています。例えば、組織の一員として仕事をしたり、組織が提供する商品やサービスを消費したり、自ら組織を作ったりしています。しかし、組織は得体の知れないものでもあります。組織は、商品やサービスを安定的に生み出す機械にたとえられることもありますが、わたしたちが組織を動かす歯車の1つとして末端に属している場合はもちろん、組織全体のトップになったからといって、組織を自分の思うように動かすことはそう簡単にはいきません。また、組織はそれ自体が意思を持っている生き物であるかのように振る舞い、組織同士がより集まって集団を作ったり、組織が分化してスピンアウトしたり、組織同士が合併したりどちらかが吸収されたりすることも起こります。こう考えると、組織というのは、わたしたち人間の意志を超えたレベルの法則性にしたがって行動しているようにさえ思えてきます。そこで、本講義では、現代社会における組織の振る舞いが、どのような法則性にしたがっているのかについて、経済学や社会学など、さまざまな理論的パースペクティブを用いながら理解していくことにします。そうすることによって、わたしたち自身が、組織に呑み込まれたり、組織に振り回されたりすることなく、組織とうまくつきあっていくための知恵を導くことを目的とします。

講義予定暫定版(変更の可能性あり)

1. (4/14) イントロダクション(さまざまな組織)
2. (4/21) 内部組織の理解(合理的システム)
3. (4/28) 内部組織の理解(自然システム)
4. (5/12) 組織の進化(組織の環境適合・戦略と組織)
5. (5/19) 組織の進化(構造的慣性)
6. (5/26) 組織の進化(組織エコロジー)7. (6/2) 組織と制度(制度、文化)
8. (6/9) 組織と制度(流行、同調、同一化)
9. (6/16) 組織と環境まとめ
10. (6/23) 組織間関係(経済学的モデル)
11. (6/30) 組織間関係(資源依存モデル)
12. (7/7) 休講予定
13. (7/14) 組織間関係(ネットワークモデル1)
14. (7/21) 組織間関係(ネットワークモデル2)