課題8

伝統的な日本の企業は、若い時代には差をつけずに年功的な人事を行ない、係長や課長といった役職昇進時に差がつき始め、さらに上位の役職以上には成果主義的な人事の運用を行なうといった特徴を持っていました。この「遅い昇進」モデルの1つの問題点として、社長の後継者や経営幹部を早い時期から育成することができないという点があります。


それに対し、入社後早くから経営幹部候補の選抜を行ない、選ばれた社員に対しては早くからエリート教育を行なって経営感覚を見につけさせるという人事モデルをとる企業も出てきました。採用の入り口から、経営幹部候補とそうでない社員とをはっきりと区別して、異なる人事政策をとる会社もあります。


もし皆さんが、自分の働く会社で、自分がいわゆる「経営幹部候補」として若いときから特別な教育を受ける立場の社員となった場合、日常の業務や会社内での付き合いにおいて、幹部候補ではない社員、もしくは選抜から漏れた社員の人々とどのようなかたちで接し、どのようなことを注意しながら一緒に仕事をしますか?あるいは自分が反対の立場(幹部候補から漏れた人材)であるとするならば、エリート社員に対してどのような関係を維持しますか。考えてきてください。


当日は、長年にわたって人事プロフェッショナルとしてご活躍の小原翠さんをお招きし、三洋電機の人事の仕組み、とりわけリーダーシップ開発・経営者育成、グローバルインターンシッププログラムについてのお話や、中国における人事管理の動向などについてお話いただく予定です。また、みなさんも就職活動で幾多の面接を経験してきたと思いますが、近年注目を浴びているコンピテンシー面接の実演も可能であればしていただく予定です。


また、飛び入り参加になりますが、株式会社格付投資情報センターで財務格付け業務に携わっておられる森井良江さんにもクラスに遊びに来ていただく予定です。時間があれば、女性の立場からキャリアについてお話していただこうと考えています。