リスクバブルの流れ

・・・したがって、世界市場の株価の動きも、それを決定付けた米国市場の株価の動きも、全て市場のムードによって決まっていたのだ。そして、このムードが乱高下するのに合わせて、世界の株式市場は乱高下したのである。
このような状況では、市場の流れを作れるほど影響力のある投資家は、仕掛けをしたくなる。すなわち、自分が大量に売買することによって、株価を大きく動かして流れを作れば、他の投資家たちがついてきて流れが加速するため、それを狙った売買を行うのである。この仕掛ける投資家以外の投資家は、皆、怯えながら取引をしているから、全体の流れに従うしかない。大幅下落すれば、さらなる暴落に怯えて投売りするし、急激に反転すれば、これに遅れてはいけないと買い戻す。これにより、乱高下の振幅はさらに拡大する(小幡 2008:148-149)。