魂の心理臨床

個々がもつ問題や症状はあくまでも深層からのメッセージが表層に現われたものである。そのメカニズムを比喩的に説明すれば、こころの奥に魂と呼ばれる「いのちの川」があるとする。その川が何かの理由で滞り、水が濁ると精神的な症状になり、水が川から氾濫すると身体的な症状として現れる。このいのちの川が生き生きと流れるためには、表層に現れた症状にだけ焦点を合わせるのではなく、深層につながっている「意味」を見つけなくてはならない。その滞った流れが、何によっていつからどのようにプログラミングされ、いのち全体のバランスが崩れたのかを見つけ、関わっていくことが心理療法だと考えている(黒木 2006:188)。